それらの大仏は、大きさだけでなく、その背景にある歴史や建設の目的もとても興味深いものです。
この記事では、そんな日本国内の大仏を、高さを基準にしたランキング形式で紹介します。
普段何気なく見ている観光地も、こうして並べてみると新たな発見があるかもしれません。
巨大大仏が建てられる理由とは?
日本で巨大な大仏が造られる背景には、時代ごとの歴史的な背景があります。
奈良時代、聖武天皇は、相次ぐ災害や反乱が社会に不安をもたらす中、仏教の力で平和を取り戻そうとしました。
この結果、奈良の大仏は国家の守り神として建てられることになったのです。
一方、近代に入ると、大仏の建設には信仰以外の目的も加わってきました。
1980年代以降、日本一の高さを競うかのように巨大な仏像が次々と作られました。
バブル期の経済発展とともに、大仏が観光地や地域活性化のシンボルとして注目されるようになったのです。
特に建設業界や不動産業界の成功を象徴するプロジェクトとして、いくつもの巨大仏像が生み出されました。
これらの背景には、経済や文化の発展とともに変わる日本の姿が反映されていると言えるでしょう。
巨大大仏の老朽化問題、維持は可能なのか?
巨大な大仏の多くは、鉄筋コンクリートで建設されています。
この構造は法定耐用年数が47年とされており、メンテナンスを怠れば寿命は短くなります。
しかし、適切に修繕や補強工事を行えば、100年以上維持できる場合もあります。
ただし、そのためには莫大な費用が必要で、維持管理が困難になる例も少なくありません。
たとえば、兵庫県淡路島の世界平和大観音像は、適切な管理が行われず、2022年に撤去されました。
この例は、巨大な構造物の管理体制をどうするかという課題を浮き彫りにしています。
現存する大仏でも、定期的な修繕が行われているものの、老朽化を完全に防ぐことは難しい状況です。
大仏が地域の歴史や文化の象徴として後世に残るためには、より長期的な視点で管理計画を立てる必要があります。
全国の巨大大仏ランキング!トップ10を発表
日本国内には、想像を超えるほどの大きさを持つ大仏がいくつも存在します。
その中から特に高さが際立つ大仏を選び、トップ10にまとめました。
ランキング上位の3体については、背景や特徴を詳しく解説しています。
それ以外の大仏については、一目で比較しやすいよう、表に整理しました。
ぜひ最後まで読み進めて、巨大大仏の魅力を存分にお楽しみください。
1位:牛久大仏(120メートル)
牛久大仏は全高120メートルのブロンズ製大仏立像で、世界で6番目の高さを誇ります。
1995年には「世界最大のブロンズ製立像」としてギネス認定されました。
浄土真宗東本願寺派が建立したこの大仏は、そのスケールの大きさだけでなく、内部が見学可能である点でも観光客を魅了しています。
2位:仙台大観音(100メートル)
仙台大観音は日本で2番目に大きい大仏で、鉄筋コンクリート製の観音像です。
建立者である実業家・菅原萬は、信仰心と地域振興の思いを込めてこの大仏を建てました。
仙台の名所として、国内外から多くの観光客が訪れるスポットです。
3位:北海道大観音(88メートル)
北海道芦別市に立つ北海道大観音は、鉄筋コンクリート製の大仏像。
「北の京・芦別」というレジャーランド施設の一環として作られましたが、後に宗教法人天徳育成会が管理を引き継ぎました。
冬には雪景色とともに大仏が浮かび上がる光景が印象的です。
巨大大仏ランキング トップ10の表
順位 | 名称 | 高さ (メートル) | 所在地 | 建立年 |
---|---|---|---|---|
1 | 牛久大仏 | 120 | 茨城県牛久市 | 1992 |
2 | 仙台大観音 | 100 | 宮城県仙台市 | 1991 |
3 | 北海道大観音 | 88 | 北海道芦別市 | 1989 |
4 | 加賀大観音 | 73 | 石川県加賀市 | 1988 |
5 | 救世慈母大観音 | 62 | 福岡県久留米市 | 1982 |
6 | 会津慈母大観音 | 57 | 福島県会津若松市 | 1986 |
7 | 東京湾観音 | 56 | 千葉県木更津市 | 1961 |
8 | 大本山小豆島大観音 | 55 | 香川県小豆郡土庄町 | 1994 |
9 | 釜石大観音 | 48.5 | 岩手県釜石市 | 1970 |
10 | 札幌涅槃大仏 | 45 | 北海道札幌市南区 | 1989 |
番外 | 奈良の大仏 (東大寺盧舎那仏像) | 15 | 奈良県奈良市 | 752 |
番外 | 鎌倉大仏 (阿弥陀如来坐像) | 11 | 神奈川県鎌倉市 | 不詳 |